上記の記事を読みました。
syncと同じ就職氷河期世代の方のエントリです。
就職活動で苦労をされて、その中でwebデザインという仕事に出会い、今ではUIデザインという仕事をされている、とあります。
今のご時世、就職が余りに売り手市場になって積極的に採用を行い、内定続出という状況です。
でも、どうしても僕はそれを面白く思えませんでした。
・就職活動の時
「自分の世代はエントリさせてすらもらえない。(当時就職希望先のNTT東西は採用を凍結していました)」
・入社後
「就職した先の会社は創立以来一番最短の研修期間で配属になり、いきなり現場に放り込まれる。さらに入社してから1年後に、部署の統廃合が起きた。その結果、管理職だらけになって逆ピラミッド型の組織に所属することに。管理職は3人に平社員1人とかで、雑用は平社員に全部回ってくる。」
・入社3年後
「更にはデスマーチプロジェクトに放り込まれ、月150時間の残業でメンタルを病み、休職を余儀なくされる」
・入社5年後
「復職後はパワハラ上司が付いて、メール1通送るのにも全て承認を得ないと送ってはいけなくなった。さらには偽装請負の指示をするよう上司から命令されることになり、やむなく内部告発。更にパワハラが進む。」
・退職
やむなく退職。キャリアチェンジを図る。
・転職6ヶ月後
粉飾決算で転職先倒産。(ちなみに社長は実刑判決で刑務所送り)
こんな新卒・転職人生を送ってました。社会はどうかというと、氷河期の後若干景気は回復した物の、非正規雇用は増える一方でした。
こんななか特に腹が立ったのは、「過労死は自己管理(自己責任)」という言葉で心身共に倒れきった僕の身体にトドメを刺すように浴びせかけていました。
この経緯を書いたのが下記のエントリです。
こんな思いをしたんだから、
「20代には残業150時間ぐらい残業して、一度ぶっ倒れて貰い、「倒れたのは自己責任だから」と冷たく言い放ちたい」
「20代にはパワハラで精神を病んで、閉鎖病棟に入った人に「それは会社が悪いんじゃ無くて、自己責任だから」と冷たく言い放ちたい」
などという、余りにドス黒い思いがしばらく身体の中に残っていました。
・・・
でも、時代はもう変わったんです。
良く体育会系の部活であるような、
「俺たちが新入生の時にシゴキを受けたんだから、お前らも同様の思いをしろ」
という考えは終わったんです。
残業150時間はおろか、それ以上の過剰残業をさせて、亡くなった電通の新人社員に対しては、彼女に「自己責任」と冷たい言葉を吐き捨てることは無く、逆にこれだけの過剰労働をさせた会社側の刑事責任が問われるようになりました。
検察は略式起訴したものの、簡易裁判所は正式裁判を選択し、公開の法廷で裁かれることになりました。
いつまでも20代の心の傷を引き摺っている場合ではありません。
自分たちが受けた「仕打ち」を繰り返してはいけないと思い、就職から10年以上たった時間で得た経験を社会に還元出来るようしていかなければならない時期に来たのだと思っています。
なので、ここで僕もロスジェネにさようならするかな、と宣言したいと思います。
ただ、一つだけ気になることが。
syncは運良く正社員で転職をしつつ綱渡りのような人生を送っていますが、同じ同世代で正社員になれずに非正規社員のまま生活をしている人たちです。
彼ら・彼女らを経済的にも仕事をするやりがいという意味でも救済できる良い方法はないのでしょうか。そこだけ解決する妙案が提案できないのが残念です。