少しずつ拘束度を高めると共に昇進させるのがコツです
ちょっと唐突ですが、ここでは某企業における正しい社畜の育て方について述べてみたいと思います。
- 新入社員
・・・まずは独身寮に皆で入ります。大浴場の足ふきマットで水虫が移るのも大事な通過儀礼です。
- 若手平社員(20代後半)
・・・とにかく、先輩や上司から結婚するよう勧めます。「プライベートの充実は仕事の充実に繋がるぞ。」「30歳過ぎると寮費上がるけど、結婚して社宅に入れば住宅費は今と大して変わらんぞ。」
まぁ、そういう先輩や上司もこの通過儀礼を経由してきた社畜なので社畜仲間を増やそうとしているだけなのですが。
それでも非モテだったり、ヲタク趣味に走ってしまったり、全然女っ気が無く結婚する気配の無さそうな男にはこの殺し文句です。
「結婚すれば主任になれるかもよ。」
これで多くの平社員は学生時代の彼女とか、合コンで知り合った女性とか、花嫁候補として採用されたコネ入社の女性社員とか、会社が斡旋する結婚相談所経由で結婚していきます。
はい。これで多くの若手平社員は結婚しました。併せて足ふきマットの水虫付き独身寮からは卒業し、社宅に移ります。
そして、嫁と社宅という「会社を辞められなくなる重荷・その1」を背負うようになります。
結婚して社宅に入った、若手社員はこれでめでたく主任に昇進します。
- 主任(30代前半)
・・・とりあえず、結婚はしました。社宅にも入りました。でも、会社側からするとまだ会社への忠誠心が足りないと思われています。
そこで次の選択肢は「子供」です。
同じ社宅に入っている上司や先輩からバーベキューに誘われたりするなどで、「子供はかわいいぞ」「扶養手当出るぞ」などと
今度は「子供を持ち、世帯主として責任を負うこと」を推奨してきます。
古い世代の人間は「子供を作ってこそ社会への義務を果たす」などという前時代的な事を言う人もいます。
確かに結婚して嫁もいる男であれば、セックスもしたくなります。上司や先輩にも言われることも無く子供が出来るというケースも良くあることです。
こうして、子供という「会社を辞められなくなる重荷・その2」を背負うようになります。
ちなみに、独身寮組はまだ主任にはなれません。
- 課長代理(30代後半)
「嫁と社宅」「子供」という重荷を背負ったその社員は気がつくと課長代理という肩書きがつくようになります。
重荷を背負って辞めにくくなった代償として肩書きとそれに見合うだけの報酬を得るようになります。
でも、それだけでは会社は攻めの手を止めません。
今度は「住宅取得」を推奨してくるのです。社宅は40歳が入居期限。それを過ぎると社宅の家賃は跳ね上がります。
そこで「住宅取得」をあの手この手で攻めてきます。
「○○さんが○○町にマンションを買った」「○○さんが○○市に一軒家を建てた」とどこからとも無く話しが入ってきます。
さらに、会社の共用スペースには会社の系列会社が斡旋するマンション・一軒家のパンフレットが並び、
毎週決まった曜日には会社提携の銀行員とローン会社の社員が「住宅ローン相談窓口」を構えておいでおいでしています。
ここまで会社の手法にはまった人は、もう後ろには下がれません。
あっさりと会社系列会社の斡旋するマンションを買い、ローン会社で住宅ローンを組むのです。
これで、住宅ローンという「会社を辞められなくなる重荷・その3」を抱えることになります。
独身寮組はこの時点で窓際入りです。肩書きもつきませんし、既に見捨てられています。
- 課長(40歳)
会社を辞められなくなる重荷「その1」「その2」「その3」を抱えた貴方。上司と人事はその会社への社畜ぶりを見逃していることはありません。
貴方は課長に取り立てられることになりました。
でも、もう後には戻れません。「その1」「その2」を崩せば慰謝料と養育費、「その3」を崩したらいきなり資金難です。
その頃には会社は貴方に残業100時間、200時間が当たり前の激務を課すことになるでしょう。
課長は年俸制だから、残業代は当然出ません。おまけに病気になってしまうかも知れません。
突然死するかも知れません。突然死した場合は「団体信用保険」のおかげで、残された家族と家は残るでしょう。
その激務の中で課長間での血みどろの争いが始まります。その血みどろの争いをくぐり抜けた人間だけが「部長」という椅子が待っているのです。
独身寮組はようやく一部主任になった人も出てきます。ほんのお情けでしょうか。でも、課長代理にはなれません。
周囲からは「40代なのに非モテ独身寮組」と白い目で見られます・・・。
・・・って結局社畜になることを求められる会社には行ったら男は社畜になるか、さっさと出世ルートから外れるしか無いんですよね。結婚できない時点で非モテ男は後者を強制的に選択させられることになりますが。